入社２５年 ユニネクのことなら俺におまかせブログ　岩。

客の忘れ物

浜松市のKホテルで講演を行なったときのことである。恥ずかしい話だが、講演の折、
大切なボールペンを演壇に忘れてしまった。大学研究室に戻った私は、ボールペンを
忘れたことに気づき、慌ててKホテルに電話をした。電話に出た担当者は用件を聞くと
「すぐ拾い物ケースを見てきます」といい、電話口を離れた後すぐに戻り、そこになかっ
たのか、今度は「会場を見てきますが、待てますか」という。もちろん何分でも待つつもり
だった。しばらく待っていると、担当者は、おそらく駆け足で往復したのだろう、息を切らし
た声で、「大切なペンありましたよ」と、はずんだ声でいってくれた。「私は三日後、会議に
行く機会がありますから、預かっていてください」というと、担当者は即座に、「お急ぎで
しょうから、速達で送ります」という。ペンは翌日私の手元に戻ってきて、封をあけると、
ボールペンとメモがあり、メモには、「大切なペン、なくさないでくださいね。Kホテル」とだけ
書いてあって。ホテルの誰なのか、未だにわからないが、この時依頼、Kホテルのファンに
なった。